週刊リング

「週刊リング」は、気軽に気楽にプロレスを好き勝手語る気まぐれプロレスブログです!

Vol.11《俺たちは2人で1つ!タッグの季節にタッグを語る‼︎ の巻》

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■プロレスの醍醐味、それがタッグ!

プロレスファンの年末の楽しみといえば、タッグ。新日本も全日本も、恐竜がいた時代から必ず年末にタッグリーグを行うのが恒例となっている。

最近の新日本プロレスだけしか知らない方にはピンとこないだろうが、プロレスの醍醐味とはタッグといっても過言ではないほど、実は魅力の詰まったタッグ。2人の関係性(師弟・盟友・ライバルなど)や、ドリームチームにワクワクと心踊らせることもしばしばである。そんなタッグを心ゆくまで年の瀬に堪能できる日本プロレス界。それだけでも、日本に生まれてよかったーー、と叫びたい。

 

■天山&小島。2人の物語は大河ドラマでもおかしくない。

さて、早速だが、ここ最近で私が好きなタッグチームをいくつかご紹介させてもらいたい。

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まず、ノアのGHCタッグ王者チーム中嶋勝彦潮崎豪組》を推させてもらいます。私が最近ノア推しになってきているのもあるが、このチーム凄まじく強い。強烈な蹴りとチョップの雨嵐は、常に相手をボコボコにしてしまう。

次に、全日本プロレスで何度も世界タッグ王者に輝く暴走大巨人諏訪魔石川修司組》も爆推ししたい。大柄な選手が目立つ全日本の中でも群を抜いて「デカい・強い・凄い」。気の合う2人のやり取りも最高で、そんな2人が組んでしまえば、相手はもうボロボロである。

これまた全日本だが、野村直矢・ジェイクリー組》も素晴らしい。今年の最強タッグリーグ優勝候補として最も推したいこのチームだが、どちらかというとタッグチームとしての将来性を大きく期待している気持ちが強い。言わずもがな2人はライバル。組んだら離れたりを、これからも繰り返すかもしれない。そんな関係だからこそ、このタッグは面白い。

最後に現役ながらも私の中で殿堂入りしているタッグチームをご紹介。もうお分かりですね? そう、世界で1番強くて世界で1番カッコいいタッグチーム、天山&小島、略して天コジ天山広吉小島聡組》だ!

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当たり前すぎて気付きにくいかもしれないが、天山・小島組=天コジを、ここ数年毎年ずっと見られるというのは密かな贅沢だ。

天山と小島。京都銀行よりも、ながーーーーいお付き合いの2人は、タッグ界のリビングレジェンドと称してもいいだろう。初タッグで王座獲得し、約3年で新日本に名を刻むタッグチームに成長。その後、団体が分かれた2人だが、しばしばドリームタッグを結成して東京ドームのメインを張ったり世界最強タッグ決定リーグやG1タッグリーグを制覇してきた。小島が新日本に戻ってからも、主にタッグ戦線で活躍してきた2人。

ほぼ同期でありライバルであり背格好も似た2人の物語は他にも多くのエピソードがあり、それは大河ドラマになってもおかしくないほど。

現在の新日本で優勝戦線に絡むことは難しいかもしれないが、新日本の忖度さえなければ優勝してもおかしくない実力のチーム。天山のアナコンダバイスは屈指の関節技だし、小島のラリアットは紛れもなく世界一だ。

そもそも、急なマイキーボム1発であっさり沈む小島ではないでしょうに!!

 

さて、伝えたいことは伝えた。皆さんも好きなタッグチームを精一杯応援して、このタッグリーグ三昧の時期を楽しくお過ごし下さい。

 

続きはまたリングの上で。

Vol.10《ROPPONGI 3K 改め チームうな牛‼︎ の巻》

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■ROPPONGI 3K 改め チームうな牛‼︎

シリーズ通して行われた『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2019~』。開催以来、最もレベルが高かったのではないかと思われる今回のリーグ戦を制したのは、ROPPONGI 3K。なんと今回の優勝で偉業も偉業の3連覇を達成しており、まさにJr.タッグでは天下無敵の最強タッグチームとなった。…なった。………なった?

 

なってない!!!

 

王者チーム石森・ファンタズモ組や、デスペ・金丸組、オスプレイ ・ロビーのBOP(BIRDS OF PLAY)、田口・ロメロの監督タッグ、これらのチームの方がタッグとしての完成度が高く、そして強い!何故このメンツの中、彼らが優勝できたのか?

それは荒削りながらも、ガムシャラに必死な彼らの熱い思いが、観客にも伝わり………ガムシャラ?熱い思い?

 

…そうでもないかな。

 

確かに、崖っぷちに立たされたROPPONGI 3Kには、鬼気迫るモノを感じた瞬間もあった。だが、彼らのキャラクターなのかなんなのか、感情が終始伝わりにくいのだ。これは田中と小松がROPPONGI 3Kとなってから、ずーーっとだ。

シングルだと、SHOへのファンの支持は凄いものがあるし、YOHも一定の評価を得ていた。これがタッグになると散々こき下ろされるのは、一重にこのコンビ合ってないのだ。

SHO、YOHという類似したリングネームまでつけていることから、会社は彼らを邪道外道やヤングバックスのような永遠の相棒にしたいんだろう。当人達も満更ではないと思う。しかしながら、互いの長所が噛み合わなさすぎる。すき家のうな牛と同じだ。(※うな牛は、あくまで個人の感想です)

ROPPONGI 3Kというキラキラした感じが、彼らの元来の魅力をなくしているという事もあるだろう。これは、ROPPONGI 3Kという雰囲気が、ロッキーロメロのような外国人だからこそ成り立つカッコ良さがあるのだ。SHOとYOHというシャレたリングネームを付けたところで、誤魔化せない。

 

ここまで強い言葉で彼らを否定するのにはワケがある。

私が完全に彼らに失望した事件は、ROPPONGI 3Kがタッグリーグ3連覇を成した翌日の11月4日に起きた。

崖っぷちからのタッグリーグ3連覇。喜びも束の間、トロフィーを石森・ファンタズモ組にかっさらわれた2人。その怒り、哀しみは如何程のものか、私は2人の対応に注目していた。

その対応が、これだ。

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絵文字…ふざけてんのか?遊んでんのか?ナメてんのか?悔しくないのか?どうでもいいのか?バカか?

プロレス関係で、こんなにガッカリしたのは久しぶりだ。最近、いいチームになってきたなと思ってた矢先のコレである。もう今のままの彼らを応援することはないだろう。

東京ドームで、ファンタズモからコテンパンに急所を踏みつけられてド汚いマネされて負けて涙するといい。少しはマシになるだろう。

 

SHOはそろそろシングル戦線に行ってほしいし、YOHは独自路線を突き進んだ方がいいんじゃないか?

彼らの今後の奮起に少しだけの期待を添えて、今回は激しく批判してみた。

猛省せよ、ROPPONGI 3K!

Vol.9《至高の価値はドコにあるのか⁉︎ の巻》

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■至高の価値はドコにあるのか⁉︎

色々あった11.3、新日本プロレス大阪大会『POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2019~』。

Jr.タッグの試合順だの、結局既定路線だの、言いたい文句も山ほどあるが、悪いことを挙げても仕方ない。この大会の良かった点を挙げていこう。

サプライズ!高橋ヒロムの復帰‼︎

BUSHIの善戦!

オカダのマイク(内藤への挑発行為?)

主な良かった点は、以上か。

ヒロムの復帰は、本当にワクワクするものだった。演出もさることながら、良い意味でイカれたヒロムの姿を見れたことは、ヒロムファンじゃなくても楽しめたことだろう。この期待感、プロレスラーにはかなり大事なモノだと思う。「ヒロムなら面白いものを見せてくれる。」その信頼度は、花の慶次金保留やキセル演出よりも高い。

ただし、いくらヒロムでもいきなりオスプレイ戦で復帰するのは、かなり厳しいと思う。それこそヒロムが勝てば、「これまでのオスプレイ の功績て何だったの?」となってしまう。ヒロム不在の間も、新日本Jr.のレベルを高め、そのトップであり続けたオスプレイ。それが復帰1戦目の男に負けるなぞ、見たくない。ヒロムには次シリーズから元気な姿を見せてくれることを望む。ドーム前に、ベストバイプレイヤーである金丸あたりとシングルやるのも面白いかもしれない。

 

今大会、BUSHIも良かった。正直、私はBUSHIをナメていた。ドームに向けて、ある程度のシナリオが読めるこの時期、一瞬でも「BUSHIが勝つのでは?」と思わせる事ができればBUSHIの勝ちのようなもの。私を含めた、全てのBUSHIをナメきっていた人達を見返す事が出来たのではないか。

 

他にも、タイチやKENTAもよかった。

特にKENTAは、試合のしょっぱさが目立ってしまった為か、微妙な選手というイメージが定着している。しかし、私はそもそもKENTAが新日本プロレスにフィットするのにはある程度時間がかかるものと当初から思っていた。野球でも、メジャーで活躍した日本人選手が日本に戻ってきて即座に活躍するのは稀である。阪神タイガースの福留外野手も、信頼を取り戻すのにかなり時間がかかった。そして、ようやくKENTAは、それなりの試合が出来る様になってきた。なんせひと昔前は、NOAHで丸藤と並ぶトップだった選手である。まだまだKENTAは出来るはずだ。

 

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さて、ここらで話を巷で話題の二冠論争に移そう。

まず私は二冠反対派である。単にドーム2連戦という流れに乗っかって、二冠で一時的に盛り上げるだけの行き当たりばったりであるとしか、感じない。

長いプロレスの歴史で、過去にも何度かダブルタイトル戦はあった。その時は盛り上がるが、その後の微妙な展開は何とも…。

それを知ってるからこそ、今、隆盛を極めてきた新日本プロレスが、こんなことやっていいのかと不安しかない。

 

だいたい、IC王座をナメすぎである。現在の流れからして、IWGP挑戦への通行手形程度にしか思ってないのではないか。

飯伏からは、IC王座への愛着を感じるが、ジェイと内藤は完全にそうとしか思っていない。

まず、このIC王座をこき下ろす風潮を作った内藤はなかなか許し難い存在だ。前から内藤本人が言うようにIWGPにしか興味がないのなら、回りくどいマネをせず、ハナからオカダを標的に動けばいいのだ。それを「二冠」という言葉でごまかして、敢えて遠回りする回りくどさは、ベビー時代の内藤の女々しさを彷彿させる。好きなコがいるけど、告白する勇気がなくて、その周りの友達から固めていく回りくどさによく似ていると思う。オカダのように、一直線に愛を告白する方が余程カッコいい。飯伏は、どっちも好きだというワガママっぷりはキャラに合っている。ジェイは、女なら何でも手を出すプレイボーイという感じ。そう、内藤にだけ違和感が半端ない。Twitterで、みんなの意見を見ても、内藤にだけ感情移入できないファンが私以外にも多くいるようで安心した。正直、新日本ファンの大半が内藤信者だと思っていたからだ。オカダのマイクパフォーマンスがファンの心をガッチリ掴んだのだろう。そのマイクとは、ずばりIWGP王座への愛そのものである。今、IC王座をそこまで愛している選手はいるのか。

そもそも、IC王座に特別な価値観をもたらす事が出来ていない現状がもどかしい。IC王座といえば、未だに中邑真輔の印象が強い。独自の路線を突き進み、価値0に近かったIC王座をIWGPと同等またはそれ以上にまで引き上げたこの功績は、並大抵のことではない。中邑自身、異常なほどにIC王座への愛着があったし、遊び心満載で、その防衛ロードを楽しんでいた。それはIWGPでは実現が難しい刺激的な防衛ロードだった。今の新日本プロレスで、それを実現できる選手はいるだろうか。それが出来る選手として私が思う条件は、

IWGP王座を保持したことがある

②ファンをワクワクさせるカードを組める

①の条件を満たしていないと、王座の価値に説得力がない。②の条件を満たしていないと、IWGPとの差別化が難しい。

これらの条件を満たすのが、内藤哲也だと私は思っている。(※.飯伏がIWGP戴冠した後なら、飯伏が適任である。)

トランキーロな内藤なら、IWGPでは実現不可能な刺激的防衛ロードをファンに魅せる事が出来るのではないだろうか。IWGP固執しだすと、今のように魅力が極度に落ちる内藤。この男は、もっと自由に泳がせた方が面白いモノを提供できるのだろう。

二冠よりも、IC王座の価値を上げることの方が余程難しいし、唯一無二で価値のあることだと思う。誰か、かつての中邑のようにIC王座に輝きをもたらす選手が現れることを切に願う。

Vol.8《明るい未来へ!激化する若獅子闘争! の巻》

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■明るい未来へ!激化する若獅子闘争‼︎

G1期間中、熱い公式戦が多く繰り広げられた。しかし、それに勝るとも劣らない熱闘があった。それは【日米ヤングライオン対決】だ。ロス道場から来日したアメリカのヤングライオン(カール・フレドリックスとクラーク・コナーズ)、野毛道場で鍛錬を積む若獅子《海野翔太成田蓮辻陽太上村優也》、彼らの対抗戦さながらのバチバチな試合は、公式戦を食ってしまう程の盛り上がりを見せた。しかし、それだけではない。実は国内のヤングライオン同士のライバル意識も半端なかった。

後輩の辻・上村が、海野・成田の先輩組に激しく噛み付いているのだ。特に辻は、海野と成田に対し、「ヤングライオンのプライドがない」「色気付いてる」など、厳しいコメントを発している。上村も言葉少なだが、2人と戦う際は普段以上の気合が見てとれる。もちろん海野と成田もそれに負けてられない。NJCやBOSJに出場した事によりレベルアップしている2人は、先輩として真っ向からそれに立ち向かっている。更には、同期間でのライバル心も当然存在するので、ヤングライオン同士の試合が今1番新日本内で熱いといっても過言ではないのだ。

 

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現在のヤングライオンのレベルはかなり高いと思う。前回開催されたヤングライオン杯に出場したメンツもかなりレベルが高かった。北村・岡というスペシャルルーキーに続いて、海野や成田も、将来が楽しみな有望株である事は明白だった。特に海野は、家庭環境からして幼少の頃から本物のプロレス業界にドップリ浸かっていただけあり、確実に将来新日本の中心になるであろう才能が感じられる。しばらくは岡や海野を越えるヤングライオンは出てこないだろうと考えていた矢先、辻と上村が存在感を出してきたのだ。

まず、完成された肉体。辻と上村の肉体美は、それぞれタイプが違えど、既にプロレスラーの肉体であり、少なくともここ最近のヤングライオンでは最も仕上がっていると思う。そして熱い心もある。ここ最近ではなかった先輩へ噛みつく姿勢は、ヤングライオン時代の柴田らを思い出させるし、ヤングライオンとしてのプライドを熱く叫ぶところなど、まるで小籠包の様にセンスがブシャーと溢れ出ている。試合中に見せる気迫も大したものである。そこらの中堅選手など足元にも及ばない気合である。

そんな後輩からの突き上げを受け、海野と成田ももっと強くなる。そして、そこにロス道場の存在も入ってきている。ヤングライオン対決は群雄割拠の様相となってきた。是非とも年内に《ヤングライオン杯》を開催してもらいたい。実現すれば、これまでにない盛り上がりを見せてくれること間違いなしだ。

 

そんなヤングライオン達から誰が突き抜けてくるだろうか、そんな事を考えるのもプロレスファンの楽しみ。一足先にヤングライオンを抜け出した岡は、必ず新日本の中心になるだろうし、同じく川人も個人的には全く期待していなかったのだがメキシコで前人未到の結果を出している様なので、当然Jr.の中心選手となるだろう。ヘナーレも停滞気味だが、キッカケ一つでいつブレイクしてもおかしくない素材。【選手層厚すぎ問題】を抱えた現在の新日本プロレスでのし上がるのは並大抵の事ではないが、現在のヤングライオンのレベルからして、彼らが全て中堅で終わるとは考えにくい。新日本に定着するかどうか微妙な存在のフレドリックスとコナーズを除く現在の若獅子4人で誰が突き抜ける存在となるか楽しみだ。

本命は海野翔太。ジョン・モクスリーに付いて回った夏を経て、次シリーズ以降どんな活躍を見せてくれるか非常に楽しみな存在。プロレスセンスも文句なし。個人的には海外修行に行くのではなく、国内で少しずつでものし上がってもらいたい。しかし、過剰なプッシュは禁物。ただでさえレッドシューズの息子という事で、良くも悪くも特別視されやすい海野。会社の売り出し方が少しでも失敗すれば、ファンからの批判が殺到することだろう。会社が熱烈にプッシュしてもファンが付いてこないと結局失敗してしまうもの。例えば、内藤(ベビー時代)、YOSHI-HASHIなどがそうだった。大事な素材なので、彼らの二の舞を踏ませる事がない様、慎重に育てて欲しいと願う。

対抗は辻陽太。肉体や気持ちという面ではプロレスセンスが4人の中でも辻がズバ抜けていると思う。現時点では華が不足しているが、それは経験次第でどうにでもなる。そういうモノは海外にでも行けば身に付いてくるだろう。私としては、辻には絶滅危惧種とも呼ばれるストロングスタイル系レスラー(橋本、永田、柴田らの系譜)になってもらいたい。彼なら必ずなれると信じている。

 

さぁ、これからヤングライオンがどういう成長を見せてくれるか。棚橋も内藤もオカダもヒロムも、みんなヤングライオン時代があっての現在。いち若獅子が新日本のトップに駆け上がるまでを見続けるのも楽しいので、ビギナーファンには特に、今のうちから彼らに注目しといてもらいたいと思う。

Vol.7《快挙達成!飯伏、新日本のど真ん中へ‼︎ の巻》

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■快挙達成!飯伏、新日本のど真ん中へ‼︎

【G1 CLIMAX29】、本命連敗という波乱の幕開けからスタートした夏の祭典は、飯伏幸太の初優勝で幕を閉じた。しかも【BEST OF SUPER Jr.】優勝者で【G1 CLIMAX】を優勝という史上初の快挙である。決勝の相手が超ヒールのジェイ・ホワイトということもあり、最高のハッピーエンド感が会場を包んでいた。新日本初参戦から紆余曲折を経て至った今回の結果で、遂に飯伏は新日本のど真ん中に立つことになった。ドームのメインに立つまでの約4ヶ月間、これまでにない濃密な期間を飯伏は戦っていくことになるだろう。

下半期の飯伏は、リーグ戦で敗れたKENTA、EVILとアルファベット表示の選手達との権利証マッチが組まれることだろう。この権利証マッチ、負ければ「夏が全て無駄に帰す」G1覇者として絶対に負けられない戦い。権利証が動かないことが前提である為、結果はもちろん内容重視の戦いが求められる。新日本ファン達から、飯伏幸太がドームのメインに相応しいのか査定されるのが権利証マッチだ。この査定に落ちると、急なファン投票でセミに回されることも有り得るのだから、実は非常に厳しい戦いなのだ。バレットクラブ入りしたKENTA戦は非常に厄介な試合になることが予想される。リーグ戦のジェイ以上に悪の限りを尽くしてくるだろう。EVILだって、キッカケ1つでいつハネてもおかしくない選手だから楽観視できない。飯伏の下半期の戦いは要チェックやで〜。

 

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それにしても、素晴らしい決勝だった。個人的にジェイ優勝を期待していた私だが、長年溜め込んでいた飯伏への期待感が、私のおちょこから溢れてしまい、気付けば飯伏を応援していた。試合中にウルッとくることもあった。

試合は正に激闘。どちらが勝ってもおかしくない展開だ。最後に勝敗の差を分けたのは、執念。

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漫画「北斗の拳」で、実力はあるのに甘ちゃん小僧だったケンシロウを変えたのも執念。それは言い換えれば【覚悟】である。昨年の飯伏には覚悟がなかった。G1決勝まで進んだものの、ケンシロウ同様の甘ちゃんだった飯伏は【執念、覚悟の差】で棚橋に敗れた。棚橋と飯伏では、背負うものに差がありすぎたのだ。

今年、新日本と契約を結んだ際、飯伏の覚悟は決まっていた。今までフワフワしていた飯伏が新日本に身を捧げ、プロレス界を背負う覚悟を決めての契約だった。

棚橋に敗れ、盟友ケニーとの別れを選び、ライバルや神と自身の差について考える1年を過ごしてきたのだろう。今年のリーグ戦では、神の1人・棚橋へのリベンジに成功。難敵・ザックや、IWGP王者・オカダにも勝利した。それもこれも全て、【覚悟】を決めた故の結果だと思う。自分の為に勝とうとするジェイ、周りを二度と裏切りたくないという思いで戦う飯伏との差が、飯伏優勝という結果をもたらしたのだ。

こうなるとジェイにとっても今回は意味ある敗北。次シリーズ以降、ジェイはもっと強くなっていることだろう。ガチムチなヒールのジェイだから言葉に出すことはないだろうが、この敗北で学んだことが必ずあるはずだ。

 

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飯伏が遂に新日本の主役に躍り出たことは本当に今後が楽しみで仕方ない。今までIC王座戴冠、NJC制覇は成したものの、あくまで新日本の主役はIWGP王者。そして、下半期はG1覇者も主役となる。夫婦というわけではないが、2人の共同作業でドームまでの盛り上がりを高めていくのが最近の定番だ。

現在の新日本の主役はオカダ、人気No. 1の内藤、前IWGP王者ジェイの3強時代。次いで、低迷しつつある棚橋や、伸び悩む後藤、SANADA、EVIL、飯伏らがいる。今回の優勝で、飯伏はその惜しいポジションから抜き出て、オカダらに並ぶ位置になった。これは新日本の新たな景色が見られる事になるかもしれない。果たして飯伏は新時代の盟主となるか⁉︎  それを成す時、神を崇めている飯伏自身が神となるだろう。

Vol.6《君の夏の終わり 優勝の夢 熱い激闘忘れない‼︎ の巻》

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■君の夏の終わり 優勝の夢 熱い激闘忘れない

プロレスファンにとって早めの夏の終わりが訪れようとしている。【G1 CLIMAX 29】が、その名の通りクライマックスを迎えつつあるのだ。日本武道館の最終戦に向けて、夏の盛り上がりが最高潮になりつつある一方、優勝戦線から脱落し、夏の終わりを迎えてしまった選手達も多い。

今回はそんな選手達に、感謝の意を込めてスポットを当ててみたいと思う。

 

まず、表紙にも選ばれたSANADA。

NJCからの勢いそのまま、参加選手の中でも期待度大であったSANADAだが、まさかの4連敗。いち早く脱落となってしまった。「責めて、宿敵・オカダには勝利してほしい」という日本で1番SANADAが好きな全SANADAファンの切実な願いだけは果たしたものの、結果を得られない日々はまだ暫く続きそうだ。内容はザック戦を筆頭にお墨付きなSANADAだけに、結果を得られない現状がもどかしく思える。

下半期にはおそらく再度オカダとのIWGP戦が組まれるだろうが、そこでのタイトル奪取がなかなか難しい事は、過去数年の現実が物語っている。下半期の防衛戦は王者のリベンジロードになりがちという「新日本あるある」をぶっ潰せるか? 今までとは逆に、SANADA主導で王座戦までの流れを作り出せれば面白くなるだろう。

 

続きまして、8月7日現時点で脱落ホヤホヤのEVIL。

開幕前から気合MAXだったEVIL。何となくEVILの夏になりそうな雰囲気はあったものの、今ひとつ勢いが足りなかった印象。賛否両論なダークネススタイルだが、肯定的な意見の方が多い様なので、EVILにはダークネスロードを突き進んでもらいたいところ。イロモノでも試合は素晴らしいし、コメントセンスも良い。キャラ先行のキワモノでないことは誰しも周知だ。最終戦までEVILには注目していきたい。

 

次はランス・アーチャー

派手にイメチェンしてG1へ臨んだランス。オスプレイ戦では体格差を十分に活かしたド迫力ファイトで観衆のハートを掴んだ。しかし連敗に次ぐ連敗。メチャクチャ残念な結果に終わりつつある。オカダ戦に勝ち、年末のIWGP初挑戦は硬いと予想していた私には、かーなーりショックである。このG1は新しいランス・アーチャーの顔見せ程度で、下半期から暴れまくるのだろうと切り替えていくしかない。スミスの分まで頑張って、新日本をメチャクチャに掻き回してもらいたい。

 

続いてジェフ・コブ。

エルガンが離脱した現在、同スタイルのコブは貴重な存在。エルガンもそうだったが、これ程の逸材(棚橋とは違った意味で)を新日本はもっと上手くプロデュースできないものだろうか。試合内容はエルガンの方が新日本にフィットしていたが、キャラクター的にはコブの方がハマりそうな気配がある。「ガチムチ!」

 

そして、オスプレイと鷹木。

BOSJで圧倒的強さを披露したオスプレイと鷹木。そんな2人がG1ではなかなか結果が得られないのだ。内容を見る限り、ヘビー相手に通用しない訳ではない。オカダや内藤というヘビー級のトップ相手でも、勝利してもおかしくない紙一重な試合内容だった。でも、それなら勝ってほしかったのが私の本音。踏ん反り返っているヘビー級の連中を1発で黙らすには、彼らに勝つことが最善の策だった。特に【オスプレイがオカダに勝つ】=【Jr.王者がヘビー王者に勝つ】、この図式はG1のいちリーグ戦でなら実現可能だと私は信じていた。この日のオスプレイの敗戦は、G1中で最もショックな出来事だった。

先述した通り、BOSJで圧倒的強者だった2人が早々に脱落したことで、結果的にヘビーとジュニアの差は大きいと実感せざるを得ない。ザックや飯伏や柴田、オフィシャルではないが内藤、彼らが結果を出している以上、現実にはそんな差はないことは、ファンはみんな分かっているはずなのに。Jr.の新しい風景が見えた今年のBOSJだったからこそ、G1でJr.の価値をマルッと変える事を期待していただけに大変残念な結果だと思う。体格差がモノを言う世界なら、ファレが最強王者であるべきなのだから、Jr.の価値について日本プロレス界はもっと考えて頂きたい!!

 

他にも棚橋やタイチなど多くの選手が優勝戦線脱落してしまっている。

しかし、まだまだG1は終わってない。星的には消化試合でも、G1は個人闘争だから最後まで本気の試合を魅せてくれるはずだ。

近づいてくる夏の終わりは寂しいが、全選手最後までリタイアしないように頑張ってください!

以上!!

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Vol.5《真夏の闇夜の匂いがする‼︎ の巻》

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■真夏の闇夜の匂いがする‼︎

G1も中盤戦に入っている今日この頃。本命中の本命、IWGP王者《オカダ・カズチカ》が今日時点で全勝(5勝)と絶好調。

一方、リングが本命に推していたジェイは3連敗スタート。後藤もジェイに勝利して以降、3連敗。まだ巻き返し可能とはいえ、かなり厳しい状況となっており、これが競馬新聞であれば売上が大幅に落ちてしまう程ひどい予想である。しかしジェイも後藤も必ず最後まで決勝進出の可能性を残す展開になることだろう。

 

本命には挙げていなかったものの、今回の

G1でとある2選手の株が、まるで急なブームが起きたタピオカのように【風雲昇り竜】状態にあるようだ。

もうプロレスファンの皆様はお気付きの通り、その2選手とは《EVIL》と《ジュース・ロビンソン》だ。

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EVILは【闇の帝王】というキャラ。いわばイロモノだ。どうしてもキャラが強すぎるて為、イロモノのブレイクというのは相当難しい。WWEのアンダーテイカーが凄いといわれるのも、そんのイロモノでありながらファンの心を掴んだためだ。無論、EVILは基礎もしっかりしていて良いレスラーだし、私も好きだ。しかし、闇の帝王という一般ウケしないキャラである以上、今の立ち位置からは抜け出せないだろうと思っていた。しかし、ここにきてEVILがアツいのだ。G1前から、フライング気味に個人闘争モードに入っていたEVIL。ロスインゴ恒例のグータッチも拒否していた。SANADAとの公式戦前夜には、急襲も仕掛けた。G1に対して、相当気合いが入っているのだ。いや、これはもしかしたらタッグパートナーでありながらも、最大のライバルともいえるSANADAへの対抗意識が強すぎたのかもしれない。

ここ1年、シングルで特に結果を出していないEVIL。SANADAも結果は出ていないものの、NJCでの飛躍や、元来持っていたセンス◎がSANADAというレスラーに馴染んできたこともあり、ファンからの信頼度は高まるばかり。いつの間にやら、ロスインゴ内の立場が逆転するこの現象に最も危機感を覚えていたはずのEVILは、G1で一発逆転を強く狙っていたはず。

もちろん、G1はSANADAだけでなく他8名の猛者を相手にしなければいけないのだから、SANADAだけに注力するわけにはいかない。強い集中力が必要だ。その気持ちや強さが、明らかに見て取れるのが、現在のEVILにはある。

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そして、ジュース・ロビンソン。トレードマークのドレッドを切り、モクスリーとの試合以降陽気さを潜めさせているジュース。その試合内容も、とにかくアツい。US王者としての経験が、彼を大きく成長させたのもあるだろう。しかし、なによりもモクスリーの存在である。

この数年、新日本に全力で身を捧げてきたジュース。最近ようやくファンの支持を得てきたのに、モクスリーはそれを参戦1発目で手にしたのだ。こんなに悔しいことはないだろう。

そこから自分に何が足りないのか、どうすればモクスリーに勝てるのか、真剣にそれと向き合った結果、現在のジュースが誕生した。

根本的な変化はないが、無駄を削いだジュースは強い。以前、鈴木みのるが「強くなるには増やすのではなく失くせばいいんだ」と言っていたことがあった。今のジュースにピッタリの言葉だ。

因縁のモクスリー戦は最終日に組まれている。その日まで、ジュースはモチベーションを保っていられるということだから、相当に強いことは間違いない。

 

そんな2人が現在のG1を盛り上げているようだ。ファンの株も急上昇。これだからG1は面白い。優勝しそうな人が優勝するのもいいが、ダークホースがリーグ戦で急成長して一躍団体のトップに躍り出るのはG1の醍醐味である。

ジェイと後藤を推したリングだが、彼らが優勝すれば面白くなるなと期待してしまっている自分がいる。これは浮気である。

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