週刊リング

「週刊リング」は、気軽に気楽にプロレスを好き勝手語る気まぐれプロレスブログです!

Vol.23《脇役卒業へ!今年が大事レスラー‼︎》

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■今年結果を出さなければ…

「届きそうで届かないのが一番ダメ」

田口隆祐が《月刊シックスナイン》でSANADAに対して発言した言葉である。普段ふざけ気味の田口だが、この言葉は真実であり重い。実際、届きそうで届かずに格落ちしたレスラーを幾度も見てきた。

今回、今年結果を出さなければ、下手すれば一生リングの主役にはなれないであろう、《今年が大事レスラー(新日本プロレス版)》を纏めてみた。

 

■パフォーマンス力を上げていくべき?

まずは今回の企画の基となったSANADA

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昨年、ザックやオカダと名勝負を重ねて飛躍したSANADA。満を辞してIWGPに2度挑戦したが、結局タイトル奪取ならず。今年1.4ではザックに敗れ、ブリティッシュ王座も手にできなかった。

ファンの支持も高いSANADAは、いつ何のタイトルを獲得してもおかしくはない。だからこそ今年何としても結果が欲しいところ。最悪でもIWGP IC王座を手にして、防衛ロードを重ねてもらいたい。

それを達成する為には、今年パフォーマンス力を上げていくべきだと私は思う。良い試合をすることは既にファンも周知している。クールなスタイルが売りでもあるが、それだけではこのままで終わってしまうことだろう。変化とまでは言わないが、これまでと違う1面を魅せて我々を驚かせてもらいたい。

 

■残すはIWGP戴冠のみの飯伏!兎にも角にも結果が必要なEVIL!

次に飯伏幸太

G1制覇してドームのメインでIWGP挑戦となった飯伏だが、SANADA同様にタイトル奪取ならず。それどころか2冠を巡る闘いで2連敗してしまった。それにより価値が下がったとは現在のところ思えないが、IWGP戦線から一歩後退してしまった感は拭えない。

多くのタイトルを手にしてきた飯伏の場合、残すはIWGP戴冠のみ。早く再挑戦して結果を出したいところ。但し、次に挑戦する時は必ず勝たなければいけないだろう。でないと、層の厚い新日本では、もう飯伏にチャンスは巡ってこないのではないかと思う。

まずは今年、IWGPにいつ挑戦してもおかしくないという位置を維持しつつ、タイトル戦線以外でも勝って結果を出し続ける飯伏を魅せてもらいたい。その上で来年上半期までにIWGP奪取してもらえたらと思う。

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そして最後にEVIL

EVILの場合、このまま放っておくと某選手の如く、いい試合止まりで使い勝手のいい選手として一生を終える可能性が高い。

これを脱却するには、兎にも角にも結果。内容よりも結果が必要だ。目指すはIWGPといきたいところだが、EVILの場合は今年NJCかG1で優勝することを期待したい。そこで挑戦して負けたとしても、まだ未完成なEVILなら先が期待できる。IWGPはあと2年以内くらいに奪取できれば十分だと思う。

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言わずもがな、3人とも一定の期待値を得ているからこそ、今年が大事レスラーとして名を挙げている。他にも頑張らなきゃいけない選手は多くいるが、この3人は結果を得なければズルズルと今の良い位置から転げ落ちてしまうことになる。

飯伏は今シリーズで特にテーマがない溜めの期間の様だが、SANADAもEVILも大事なシングルを控えている。2人は、まずここで結果を出して次のNJCへの期待値を高めていきたいとこだ。

 

週刊リングは今年、SANADA、飯伏、EVILを応援します。

 

以上、次回またリングの上で。

Vol.22《プライドを懸けて!札幌男祭り開幕‼︎》

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■ゴツゴツ四天王が激突!札幌男祭り‼︎

新日本プロレスが2.1、2.2に開催する『THE NEWBEGINNING in SAPPORO〜雪の札幌2連戦』

棚橋など主力選手が一部不在、かつIWGP戦が行われないことでカード編成が弱いと不満が出ていた様だが、私としてはかなりアツいカードが組まれた印象を受ける。

モクスリーとオカダのタッグを観るだけでも生観戦する価値は充分あるし、興味深いカードもたくさんある。

特に、2.1のセミとメインは『新日本ゴツゴツ四天王』が激突するシングル2連戦を行う贅沢さ。

↓睨み合うゴツゴツ四天王達

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今回、雪の札幌2連戦と銘打っているが、今年は暖冬で札幌でも雪が積もっていないらしい。この暖冬の原因は、このゴツゴツシングル2連戦にあるのではないかと疑うほど、熱い試合になることは約束されている。そんな彼らの闘いはまさに『札幌男祭り』と表現していいだろう。

 

■石井vsEVILはゴツゴツ系世代闘争!

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まずセミで行われる《石井智宏vsEVIL》。この試合はタイトルは懸かっていない。懸けるのは意地とプライドのみ。だからこそ漢の真剣勝負になるのだ。

EVILにとって、石井は高い壁である。

ふと気付いたのだが、新日本に限らず最近の選手は壁となる選手との世代闘争を経てトップになったわけじゃなく、なんとなくトップになっている様な気がする。素晴らしい選手揃いなのだが、やはり世代闘争を経てトップになった選手とは何だか厚みが違うと感じてしまう事もある。

その点、EVILは恵まれている。ゴツゴツ系の頂点・石井智宏が自身の壁として君臨しているのだから。

しかし、壁となる選手を越えるには、相手がグウの音も出ないほどの完勝を納めなければならないと思う。棚橋は07年の永田戦、内藤は17年の棚橋戦などが壁を越えた瞬間じゃなかろうか。

EVILより若い世代が芽生えてくる前に、EVIL、オカダ、SANADAらの世代は新日本のトップとなり、若手と世代闘争できるほどの壁になっておく必要がある。石井のことは大好きなのだが、その時の為にもEVILにはそろそろ石井という高い壁を越えて、ゴツゴツ系の頂点に立ってもらいたいところだ。ゴツゴツ系世代闘争を制した時、EVILはレスラーとして大成することだろう。一挙に3月に開催されるNJCの優勝候補となるに違いない。

 

■NEVERはWIN-WINな試合結果に…。

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札幌初日のメインを飾るのはNEVER王座戦、《王者・後藤洋央紀vs鷹木信悟》。

正直、鷹木は後藤の上位互換だと思っている。後藤と同種のタイプながらもパワー、スピード、タフネス、技の多才さ、など全てにおいて上をいっている様に感じる。だが、後藤はそれらを全て引っくり返しかねない天然さと謎の勢いを発揮することがあるので、一概に鷹木有利とはいえないところだ。

だがNEVER戦線を面白くできるのは断然鷹木だろう。鷹木がベルト奪取すれば、Jr.時に激戦を繰り広げたオスプレイやSHOとの対戦や、まだ見ぬ数々のシングルが行われる事になるだろう。

一方、後藤はいつまでもNEVERに拘ってる場合ではない。IC王座(後藤から王座奪取した中邑が格段にベルトの価値を上げた)の例からして、後藤にはベルトの価値を高める力はないと思う。むしろIWGP王者となりベルトに無理やり後藤の価値を高めてもらうことを望む。そうでもしないと、後藤はいつまでも中途半端な立ち位置のままだ。実力は申し分ないので、結果がついてくれば爆発的に何かが変わるだろうし、話題性よりも勝ち負けや試合内容が重視されるIWGP戦線の方が後藤の魅力を発揮できる気がする。

互いに勝つメリット、負けるメリットがあると思われる今回のNEVER王座戦は、果たしてWIN-WINな試合結果となるのだろうか。

 

兎にも角にも、2試合ともファンを腹一杯にする好勝負になることはお墨付き。一体、どんな熱い攻防が繰り広げられるのか楽しみにしたいと思う。

 

以上、次回またリングの上で。

Vol.21《運命の悪戯!杉浦、アノ男と再会⁉︎》


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■無差別級の赤GHC!王者の苦悩‼︎

昨年末、『プロレスリング・ノア』に新たなる至宝が誕生した。

その名はGHCナショナル王座』。赤色のベルトであることから、通称:GHCとも呼ばれる。

ナショナルという名の通り、王座戦は「ノア国内大会のみ」という縛りがあるらしいが、従来のGHC王座戦も海外で行っている印象が殆どないので、さほどGHC王座と特に変わりない気がするが、もう一つこのベルト最大の特徴がある。それは「無差別級である」ということだ。GHC王座とは、また一味違うスタイルが今後展開されていくことだろう。

そんな赤GHC初代王者となったのは、ノアの強さの象徴・杉浦貴マイケル・エルガンとの初代王者決定戦を制し、2度の防衛を果たした王者・杉浦がある悩みに直面している。

 

■「どこに行けば盛り上がる?」杉浦から新日本を匂わす発言が出た。

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ノアの選手層が豊富になってきたことから、新たに創設された赤GHCだが、今日現在で杉浦に挑戦表明している選手はいない。それが杉浦の抱える悩みだ。

無差別級ということもあり、個人的には小川良成あたりが挑戦しても面白いなと思っていたが、小川がGHC Jr.王者になってしまった為、実現は難しいだろう。中嶋勝彦や拳王との対決も見たいところだが、勝彦は他団体のベルトを手にしたばかりだし、拳王はGHC王座を目指している様なので、現段階で杉浦と闘う理由がなさそうである。

そういう具合で、選手層が豊富な様でもあるが、実際のところベルト2本を回すほどの余裕がノアにはなかったんじゃないかと思われる。杉浦を王者にしたのもまずかった。もう少しベルトの権威を下げたら良かったかもしれないが、杉浦が王者となった為、早くもGHCと双璧を成すベルトとなってしまっている。

GHCとの差別化を図る為に、今後試行錯誤していく必要があると思うが、まず直面の挑戦者不在問題をどうにか解決していかなければならない。

杉浦自身が「どこに行けば盛り上がる?」とマスコミ向けに他団体との対戦も視野に入れた発言をしたことことから、中嶋勝彦と同じく他団体参戦も期待される。

そもそも杉浦は新日本との対抗戦でブレイクした印象が強く、対抗戦向きの選手であると思う。『WRESTLE KINGDOM 3(2009)』で、三沢光晴と組み、〈中邑真輔後藤洋央紀組〉と対戦した杉浦。負けはしたものの、ここで最も株を上げたのも杉浦である。元々、地力の強さに定評があった男が、対抗戦という単純に強さを求められる試合で本領を発揮。これを機に、一気にノアの第一線に入り込んでいった。

KENちゃん(KENTA)も頑張ってるみたいだし。」新日本プロレス参戦を匂わす発言も杉浦はしている。

 

■杉浦といえば欠かせないのが、後藤洋央紀

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杉浦の新日本参戦。

実現しなくとも、ファンに夢を抱かせる発言にワクワクしないワケがない。

新日本の選手と赤GHC王座を懸けて戦うとすれば、ノアにとってかなり有益である。ノア興行内で行う防衛戦の為、集客力国内No.1の新日本のファンをノアの興行に呼び込むことが出来るからだ。注目度も俄然あがることだろう。相手次第ではノア最大の至宝・GHC王座を越えることも可能だろう。

しかし、一方の新日本としては旨味が少ない。国内のライバル団体に客層を持っていかれる可能性があるからだ。だが、選手個々としてはメリットがない訳ではない。現在、新日本でくすぶっているEVILなどが、杉浦相手にベルトを奪うことが出来れば、団体内でのブレイクのキッカケにもなり得る。選手層の厚い新日本では、実力者でもなかなかチャンスを掴むことが難しいので、他団体との抗争で好機を得るのも一つの手だろう。

そして杉浦といえば欠かせない男が後藤洋央紀である。杉浦が新日本との対抗戦で株を上げたのに対し、ノアとの対抗戦、いや杉浦との勝負で株を下げたのが後藤である。

杉浦に負けるまで新日4強に名を連ねていた後藤は、新日内で名勝負を連発していた。しかし、杉浦とのシングルに呆気なく敗北。1度ならず3〜4連敗したと思う。そこから後藤の長い迷走が続くことになる。杉浦との対戦の度、迷走する後藤に解説先からも厳しい言葉が飛ぶ始末。

そんな後藤が現在では、GHCナショナル王座と同じく無差別級を掲げるNEVER王座の王者である。これは運命の悪戯としか考えられない。後藤のことだから、杉浦が新日本参戦となれば、NEVERのベルトを持ち出して対戦表明する可能性も大いにある。

杉浦としては、後藤は何度も勝利した上に新鮮味も感じない、さほど美味しくない相手だ。後藤からしたら、杉浦に最終的に勝利したものの何度も苦渋を舐めさせられた因縁の相手。何度リベンジしてもお釣りがくるだろう。

そんな後藤と杉浦が対峙する事が今年あるかもしれない。果たして、杉浦の防衛ロードはどうなっていくのか?

楽しみに見守っていこうと思う。

 

以上、次回またリングの上で。

Vol.20《WK感想伝③〜ココがスゴいよ!棚橋vsジェリコ‼︎》

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■『闘強導夢』に相応しいドリームカード!

棚橋がいない1.4…。

『イッテンヨンといえば棚橋弘至と、あの聖帝タイチですら認めてしまうほどの《Mr.WK》な棚橋の名前が1.4のカードにない。これは長年プロレスを見続けている私にとっては、なかなか衝撃だった。

もっと衝撃だったのは、棚橋の"タ“の字も出なかった1.4が大満足で締め括られたこと。これは棚橋に限らず主力の1人くらいいなくとも十分に興行が成り立つということ。そんな現在の新日本の層の厚さに改めて驚いた。

そんな中、迎えた1.5。遂に棚橋弘至が東京ドームに姿を現す日。組まれたカードはスペシャシングルマッチ棚橋弘至vsクリス・ジェリコ。ドーム大会を連発していた頃の雰囲気を感じさせる日米スーパースター対決。以前、新日本がドームをバンバン組んでた頃によく言われていた『闘強導夢』の名に相応しいドリームカードだ。棚橋が勝てば、AEW王座への挑戦権が与えられるということで更に注目度が上がったこの試合。メインのダブルタイトル戦やライガー引退試合に劣らぬ好試合だった。ドーム2連戦で、「もう1回だけどれか1つ試合を観られるなら、何を観たい?」と問われれば、私は《棚橋vsジェリコ》か《オスプレイ vsヒロム》で迷うと思う。それほど好きな試合だった。

そんな《棚橋vsジェリコ》の魅力を少しばかり語らせてもらいたい。

 

 

■【ココがスゴいよ①:テーマ作り】

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組まれた試合を一生懸命こなすのはプロとして当然のこと。魅せることも必要なプロレスラーとしては、それにプラスアルファが必要だと私は思う。そのアルファとは何か?

それは試合前からワクワクさせることだ。

棚橋は以前から自分の試合に常にテーマを持たせてきた。ここでの説明は省くが、ストロングスタイルの呪い」「プロレスごっこ」「IWGP戦線撤退」「ケニーの後は焼け野原」など、これらのワードだけで棚橋がやってきた激戦の記憶が蘇る。毎回毎回、試合前にワクワクした。無論それらのテーマは相手があって初めて成り立つ事は百も承知。しかしながら、こういうテーマ作りができる選手は意外と少ない。

例えば、オカダ 。「キムタクは何を演じても木村拓哉」と言われるように「オカダは誰とやってもオカダ ・カズチカ」で、余裕綽々に王者らしくドンと待ち構える。前哨戦で相手を煽ったりはするものの、本気でぶつかって来いという意思表示なだけで、自分発信でテーマを作ることはあまりしない。

今回、棚橋が投げかけたテーマは『AEWの門戸開放』。棚橋がジェリコに勝利した場合、その先に待ち受けるのは、新日本を離脱したケニーらELITE勢。悪い噂も多い彼らとの闘いとなれば、それは交流戦ではなく対抗戦。『対抗戦』というワードは、いくつになってもプロレスファンが興奮する魔法の言葉だ。今回の試合、ファンは先の対抗戦を否応なく想像してしまう。それだけで充分にワクワクするのだ。

 

■【ココがスゴいよ②:試合作り】

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《棚橋vsジェリコ》の試合時間は22分24秒。まずまずの長さである。ドームのセミということもあり、試合もかなり盛り上がった。

しかし、試合内容は現在の新日本の主流である派手でスピーディな攻防、ゴツゴツしたファイトはあまりなく終わった。机上でのDDTや場外ハイフライフローなど、危険技はいくつかあったものの、基本的には丁寧な技で試合を作り上げた印象を持つ。それでも非常に濃い内容の試合をやってのけた事が素晴らしい。

以前、SANADAは言いました。

「派手すぎると“凄いな“で終わって記憶に残らない。一つずつ大事なことをやると記憶に残るんですよ。」と。

現在の主流である派手でスピーディな試合も確かに面白い。《オカダvsケニー》など、凄く興奮した。だが、確かにSANADAの言う通りで、これだけ毎回ベストバウト級を叩き出す新日本の試合でも、余程強いインパクトを残してなければ記憶に残っていない。それよりも、何かテーマがあり、丁寧に魅せる、そんなプロレスが記憶に残っている

プロレスの楽しみ方は人それぞれだが、試合前から試合後までグレーな部分を自分なりに読み取って読解することがプロレスを最も面白く見る方法だと私は思っている。「何故ここでこんな事を言ったのか?どういう思いで闘っているのか?」それらを感情移入して感じ取ることが楽しい。人それぞれ感じ方が違うので、「俺はこう思う」「私はああ思う」という意見交換も面白い。

棚橋vsジェリコは、そんなふうに色々感じながら見ることができた素晴らしい試合だった。

 

■【ココがスゴいよ③:オーラ】

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お互いスーパースターとあって、入場時から会場の雰囲気は一気に《棚橋vsジェリコ》に切り替わった

新日本プロレスを観戦したことがある人なら共感してくれる人もいるかもしれないが、棚橋の入場は会場の空気をガラッと変える。これが出来るのは、現在の新日本ではオカダと引退したライガー、そして棚橋だけだと思う。少し前なら、AJスタイルズ中邑真輔、もっと前なら武藤敬司もそうだった。きっとアントニオ猪木もそうだったのだろう。もちろんジェリコの入場でも、会場の雰囲気を変えていることが画面越しに伝わった。

彼らの共通点とは、即ちオーラ(華)であると私は思う。経験値や魅せ方とかでも補えるだろうが、持って生まれた部分も大きいと思う。持って生まれたスター性が、会場全体の空気を変えてしまうのだろう。

 

 

これらの点が、《棚橋vsジェリコ》のスゴいところ。

 

そして、これにてWKの感想を本ブログで伝えるのは終了となる。

最後にWKの感想を一言。

「最高だよ、新日本プロレス!」

 

以上、次回またリングの上で。

Vol.19《WK感想伝②〜獣神の終わり!TIME BOMB is STARTING‼︎》

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■WKの主役はJr.!バトンは新時代へ‼︎

世間の注目は2冠に集まっていたが、私的には今回のWK(WRESTLE KINGDOM)の主役はJr.ヘビー級だったと思う。

団体、国境の枠を越えて、活躍してきた《獣神・サンダー・ライガーの引退。平成に生まれ、平成が終わる年に自らのレスラー生活に幕を下ろすことを決意したライガー。平成=ライガーといってもいいだろう。そんな一つの時代の閉幕に代わり、新たな時代を創造しようとする高橋ヒロム。ヒロム以外にもオスプレイ、田口、石森、デスペら実力者が揃った現在のJr.ヘビーは、間違いなくこれまでにないほどレベルが高い。年号も変わればJr.も変わる。平成ライガーから令和ヒロムへ、Jr.のバトンは新時代へ渡った。そんな時代の節目を今回のWKで感じることができたからこそ、今回の主役はJr.だったと思う。

 

■闘いや怒りを魅せる。それが獣神伝承!

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新日本一途で闘ってきたライガー。ビジュアル、キャラクター、闘い方、Jr.を盛り上げる様々な試み、全てにおいて革新的だったライガーの引退だからこそ、ここまで晴れやかな幕引きが出来たのだと思う。世界中に影響をもたらしたライガーだったからこそ、その引退は全世界が《#ThankYouLiger》と熱狂するものとなった。

1日目は思い出に浸らせてくれた。2日目はこれぞ新日本という『闘魂』を魅せてくれた。最後まで闘いを魅せてくれたライガーには本当に感謝と敬意でいっぱいだ

ライガーは常々、言っていた。「新日本のリングは闘いや怒りを見せなきゃダメだ」と。どれだけ時代が変わっても、その心意気だけは決して忘れてはならない。田口や矢野みたいな選手もいるが、彼らがやる時はやる選手であることは新日本ファンなら誰しも承知だと思う。これから新日本の未来を担う若手選手達には、そんなライガーイズムすなわち《獣神伝承》を心に刻んでほしい。

 

■藤波達も見た?新日Jr.頂上対決‼︎

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復帰した最高の挑戦者と、Jr.の枠を超えて闘い続けた最強の王者のタイトルマッチが、ライガー引退と同日に行われる。このシチュエーションからも、やはりドームの主役はJr.だなと感じる。

オスプレイは強い。正直、プロレスがシンプルな強さを比べるだけの競技なら、ヒロムといえどオスプレイには遠く及ばないとさえ思う。しかしプロレスは深い。強さ以外でヒロムがオスプレイを圧倒している部分もある。そんな総合力をぶつけ合うからこそ面白い。

そして、この試合やはり期待通りのベストマッチだった。そんなベストマッチが1.4で行われたこと。これは実に面白い想像を膨らませてくれる。

なぜなら、この日はライガー引退試合で、藤波、大谷、高岩、サムライら現在の新日本とは距離がある新日Jr.のOB達が久々に新日本のリングに集った日。藤波達が、現在の新日Jr.の頂点がどんなものか興味があって見てくれてるんじゃないかと。控室でライガーが「大谷、高岩!オレらの時代も凄かったけど、今のジュニア凄ーぞ!凄ーから見てけよ‼︎」と言ってたりして、みんなで一緒に試合見てたりしてんじゃないかと。そして、ライガーさんがいなくなっても新日本ジュニア安泰だな」と思ってくれてたらいいなと。

そんな妄想をして思わずニヤけてしまった。

 

■広がる夢!これからJr.は最高峰を迎える!

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そして迎えた獣神最終日のイッテンゴ

ライガー自ら引退試合の相手に指名したヒロムは、ライガーとの約束通り見事に王者となってライガーと対峙した。リュウ・リーも対戦相手ではあるものの、「ヒロムしか見えていない」とヒロムへの拘りを口にしたライガー。しかし、これは獣神伝承の試合ではない。ただ確かにJr.のバトンはヒロムに渡った

藤波らさっき名前を挙げた選手以外にも、金本や稔新日本OBはたくさんいる。海を渡ったKUSHIDAもいる。新日本に参戦した、ライガーと絡んだ数々の選手が世界中にいる。これからの新日Jr.に野心を燃やす川人もいる。きっと多くの選手がこの試合に注目したことだろう。

そしてそれ以上に多くの世界中のプロレスファンが見たことだろう。この試合を通じて、高橋ヒロム、凄いぞ‼︎」となって、プロレスを改めて好きになったり、レスラーを志す人が出て来れば、こんな嬉しいことはない。

ヒロムは試合後、倒れてるライガーに対し「アナタを超えることはできない。でも、アナタが作ったJr.の時代を超えてみせる‼︎」と言った。

ヒロムの夢が更に広がった瞬間だと思った。武藤敬司「思い出と闘っても勝てねぇ」と言っていた通り、個人としてヒロムがライガーを超えることはできないだろう。ライガーもヒロムもそれぞれオンリーワンだから。しかし、かつてなく盛り上がるJr.最高峰の時代を作ることはできる。もちろんヒロムだけではそれは達成できない。これまでになくレベルが高い現在の新日Jr.の面々ならそれが出来ると私は信じている。そして、その中心には必ずヒロムがいる。そんな時代が、もうすぐ来ることだろう。

 

以上、次回またリングの上で。

Vol.18《WK感想伝①〜KENTA襲撃編》

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■KENTAは何故、内藤哲也襲撃に至ったのか?

新日本プロレス最大のビッグマッチ、東京ドーム大会《WRESTLE KINGDOM(以下WK)》

大方の予想通り、内藤哲也が2冠達成しメインを多幸感で締め括ろうとしていた矢先、事件は起きた。

KENTA襲撃事件!!

2020.1.5は《伝説創るイッテンゴ》と銘打った興行だったが、正にKENTA襲撃事件という伝説が生まれた

内藤のファンと信者(あえて2通りの呼び方をさせてもらう)にとっては、悲劇としか言いようがないが、後々を考えると、この伝説の瞬間に立ち会った会場の皆様は幸せ者であると心から思う。

少し前にNEVER王座戦に敗れたKENTAが、何故内藤哲也襲撃に至ったのか?

答えはシンプル。それが1番オイシイから、である。

 

 

■後藤に負けたのは…

NEVERに負けた。ストーリー性がない。順序が違う。タイミング最悪etc…、当然多くの意見が出る。でも、でも、でもでもでもでも、そんなの関係ねぇ!KENTAはプロとして当然の行動をヒールとして示した。なかなか出来ることではない。これは称賛に値する。WKの裏MVPといってもいい。

ことNEVER王座戦に関して言えば、後藤とは完全に意気込みが違った。意気込み過ぎている後藤と、少し引き気味のKENTA。私は、そういう風に感じた。もちろん試合になれば、相手に負けたくないという感情が芽生えるが、その熱意の差が勝敗に結びついたと思う。

そもそもKENTAが遊ぶには、後藤は正直つまらない相手だったのではないか。KENTA最初の遊び相手、TOMOこと石井智宏は真正直な漢。遊び甲斐、からかい甲斐があったように感じる。一方の後藤も真正直な男、されど天然が大きく上回る。KENTAにとって、さぞ遊びにくい相手であるように私は感じた。そんな後藤に、KENTAは少し飽きていたようにも思える。そうなるとKENTAはもちろん考える。次の遊び相手を。その標的は、ドームの主役になるであろう2冠王者。それを狙うことで一挙主役に躍り出るのだから、全レスラーが当然狙うべき対象なのだ。そんなオイシイことはない。

先のオイシイ事を考え過ぎたKENTAと、目の前にだけ集中した後藤。KENTAは、試合前から負けていたのかもしれない。

 

■プロレスは永遠に続く大河ドラマ

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プロレスは観劇ではない。映画でも、モヤっとする終わり方があるが、それは続編への繋ぎとして仕方ない演出の一つ。プロレスとは永遠に続く大河ドラマと例えられる事が多いが、そうだとするなら、こんな結末が時にあってもいい。私も会場でメイン後の乱入により楽しみにしていた「イヤァオ」「愛してまーす」が聞けなかったこともある。「ウソだろ…」と思う気持ちも分かるが、それもプロレス。今回の事件、本気で怒ってる人もいるが、それですら全て新日本プロレスの掌の上だ。

ドームだろうと、こんな結末を用意することができる新日本プロレス。本当に大きくなったなと心から思う。「現在の新日本プロレスは茶番だ」と言っていた古参達を黙らせるほどの大きな一撃を新年早々かましてくれた。正直ナメてたよ、新日本プロレス

新日本プロレス「ナメんな‼︎」という声が聞こえた。そんな気がするWKだった。

 

 

■2連敗の飯伏。されど今後に期待。

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2冠争いの中、2連敗した飯伏幸太。最近、少し大人しめの飯伏だったが、ジェイ・ホワイト戦では、ハチャメチャかつストロングな新生・飯伏幸太の片鱗を感じた。負けはしたものの、今後の飯伏にはかーなーり期待している。

ヒール化の兆しもあったし、悪の飯伏も面白いかなと思ったが、飯伏の決意のコメント(詳細は公式サイトにて)を聞いて考えが変わった。飯伏は棚橋同様100%ベビーであってほしいと。

何をテーマにして、これから這い上がっていくのか。ジェイやオカダへのリベンジか?内藤を狙うのか?打倒棚橋か?

飯伏幸太の今後から、目を離せない。

 

以上、次回またリングの上で。

Vol.17《青柳、決意の謀反‼︎ 全日本の勢力図が塗り変わる⁉︎》

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■新春の全日本プロレスで、まさかの謀反⁉︎

新春のプロレスといえば、全日本プロレス

今年も1.2、1.3と連日で後楽園ホールを盛り上げてくれた。

この2連戦の目玉はなんといってもジェイク・リーvs宮原健斗の三冠戦。私はジェイクの初戴冠を信じて疑わなかったのだが、なんと宮原健斗が辛くも勝利。防衛記録をまたひとつ伸ばした。そして試合後、事件が起きる。

年末の世界最強タッグリーグ決定戦にて、宮原のパートナーを務めた青柳優馬。《青ちゃん健ちゃん》というタッグチーム名までつき、リーグ戦を盛り上げた。宮原の正パートナーとして今後も活躍していくはずだった青柳。今回の三冠戦後も宮原の勝利を喜び、三冠ベルトを宮原の腰に巻く青柳だったが、なんとそこでまさかの芸術的ジャーマンスープレックス。今年最初の驚きである。青柳は、まさかの行為で宮原に挑戦表明したのだ。

これは正に謀反。名付けて青柳優馬の乱」宮原、ジェイク、野村、青柳が今後の全日本プロレスの主軸になると言われているが、青柳だけがまだ実力が足りないのではないか、とおそらく誰もが思っていたはず。それが突然の実力行使。大人しいイメージの青柳が、自らの行動で挑戦表明した今回の流れは、今後の全日本プロレスの勢力図をも大きく塗り替えかねない

この日、青柳は格上のゼウスに勝利したことで自信がつき、宮原とジェイクの三冠戦を見ながらコレならイケると判断したのかもしれない。

理由はどうであれ、これまで表に立ったアピールが少なかった青柳の、まさかのぶちかまし相当な覚悟があってのことだろう。

果たして青柳は、どういった立ち位置で宮原に向かっていくのか?

《青ちゃん健ちゃん》は終わるのか?

今後の全日本プロレスから、目が離せないぞ。

 

■新外国人ルーカス。目玉外国人となるか。

他にも多くの動きがあった今回の後楽園大会。

世界タッグは、王者組《ゼウス・崔領二》から《暴走大巨人(諏訪魔石川修司)》がベルトを奪還。ゼウスの脳震盪(?)というトラブルがあり、不完全燃焼に終わった感じがあるので、次回またこの組み合わせでリマッチしてもらいたいと思う。

世界ジュニア王座は、年末から行われていたトーナメントの結果、横須賀ススムが戴冠することに。私の本命だった岩本煌史佐藤光留に勝利しての堂々の戴冠である。外敵である横須賀ススムが王者となったことにより、ジュニア戦線も大きく盛り上がっていくことだろう。

また、期待しかない新外国人《ルーカス・スティール》も、早くもファンの心を掴んでチョークスラムしている。世界タッグ挑戦も表明しているこの強者が、今後全日本の目玉外国人となるかどうか、注目だ。

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準レギュラーだったヨシタツの正式入団も発表された。全日本でイキイキとプロレスを楽しんでいるヨシタツ。今後の活躍が楽しみである。

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以上が今年一発目の全日本プロレスの主な動き。楽しみなことが盛り沢山だ。

国内一強と化した新日本プロレスにクサビを打ってほしいものだ。

 

以上、次回またリングの上で。